劇団こまち座


すべての人をステージへ!

平成5年(1993年)から平成14年(2002年)までの9年間

小野町に地域の人々が創り上げた劇団がありました。

これは、その記録です。

(でも、正式に解散はしていませんので、いつか復活するかもしれません。)

劇団こまち座とは?


  • 1993年9月、福島県の事業の「物語のあるまちづくり・人材育成事業」の一環として創作劇上演の為に、当時の小野町商工会青年部を中心として劇団員を公募して結成されました。地域を見つめ、地域に存在する伝承・人・歴史・様々な問題・いろいろな夢などあらゆるものを再発見しながら、物語りをつくり、多くの人達と感動を共有しようと活動をおこなってきました。
  • 初演の94年2月から、年1回程度のペースで活動をしていましたが、ほとんどのメンバーは、もともと演劇活動をしたことがない素人で、10年間・計9回の公演では多くの方がステージに上がり、またはスタッフとして活躍しました。

エピソード・苦労話


  • まったくの素人が集まったため、最初の公演前には脚本をワープロで書いていったら、高校の演劇部の女生徒から「脚本は縦書きの方がいいですよ」と言われました。ほんとに脚本を縦書きに書くのも知らないありさまで、初めての物語りができあがるまでは非常に大変でした。また、地域の問題などもテーマにするため、某所からクレームが出ることもあり、調整をする方は大変な苦労をしたと思います(笑)。

集めています、地域のちから!


  • 劇団は、小野町商工会青年部のメンバーが中心になって制作を担当してきましたが、より多くの地域の人達が、それぞれに参加してなりたっています。ひとつの枠にとらわれない人材の集合が、公演を成功させてきた秘訣だと思います。

将来に向けて


  • 地域の子供たち、中学生・高校生たちとの連携で公演を実施していきたいというのが私達の希望です。社会人はできれば若者たちのサポートとして活躍し、これからの未来を担う若者に、地域を感じるステージを提供できればと思っています。

過去の公演

劇団創立 平成5(1993)年9月


平成6(1994)年2月5日、初公演。「俺達の"こまち"に乾杯」

「人間って、夢がなくなると死んじゃうんです…」

  • 小野小町が現代に「小野リカ」と言う名前である日まちにやってくる。リカに想いをよせるまちの若者「オサム」が、夢のエネルギーによってリカ(小町)と共に平安時代にタイムトリップして活躍する、「夢を見ること」をテーマにした物語。夢を見ると互いに通じあっている、という万葉集の頃からの古人(いにしえびと)の想いをヒントに、夢を「夜見る夢」と「希望」という二つの意味をかけながら、夢は時代や空間を自由に行き来できるものと設定したファンタジー。劇団こまち座の初公演であり、全員が素人のため脚本会議で午前0時までもめることもあった。歌までオリジナル。公演終了後は、涙、なみだ…その後のこまち座の原点。


平成7(1995)年2月18日、第2回公演。「町立白樺高校物語」

「幸子さん…新しい今日が、今、生まれたんだね…」

  • 子供たちを、地域と言う大きな広がりの中で教育したいと言う夢をもつ高村勝は、町会議員に立候補し町立高校の設立を公約とする。女手一つで娘を育ててきた幸子は勝を応援し、次第にまちのみんなも応援する様になる。紛糾する議会の後にやがて町立高校は設立されていくが…。小野町に実際にあった町立の高校をモデルとして、現代の教育がかかえる問題と、地域の役割をテーマに、勝と幸子の若者同士の恋とは一味違った恋愛をおりまぜながらすすむ物語。今回も歌・音楽ともオリジナル。初回作とはまったく違う内容を示した事で、劇団こまち座としてその方向性を示した作品。


平成8(1996)年2月25日、第3回公演 「夢の扉を開けた時」ー俺達のこまちに乾杯エピソード0ー

「世の中には、豊かさ よりも豊かなものがある。
俺達はとっくに忘れてしまっているけれど…」

  • 明治29年、東北のとある村が町政施行して「町」になった。廃山同然だった銅の鉱山を村の実力者が復興させ、おりからの殖産興業の政策と日清戦争で、村が豊かになっていったその証でもあった。だが、いつのまにか川は汚れ、様々な問題が新たに村に持ち上がった。村が町になる時、手に入れるものの影で失うものがあったのだ。小野新町の町制施行100年を記念して、当時隣の栃木県でおきた足尾鉱山事件をモデルに、豊かさと環境の問題をとりあげた物語。夢のエネルギーで時代と空間を自由に行き来できる小町を登場させ、初回作品の頭につづく前物語として構成。音楽を担当していたM氏が諸般の事情のため参加できなくなり、今回からオリジナルの歌と音楽はなし。素人集団もちょっとずつ慣れてきたので、観客の集中力をそぐ場転もなくし、照明を使い場を設定していく手法にした。


平成8(1996)年7月6日、第4回公演 「テレフォン」 小町サミット公演

「思いっきり泣いてもいいですか…あなたの胸で…」

  • 東京の大学で知り合い恋人同士となった香と智彦は、福島と京都にそれぞれ就職し遠距離恋愛を始める。が、二人の仲はしだいにきまづくなっていく。そんな時、智彦は謎の占い師に香が何者かに刺されて殺されてしまう未来を見せられる。「運命を変えられるたった一つのものがある。」と告げられた智彦は、その日から「運命を変えられる」たった一つのあるものを探しはじめる。七夕の夜に繰り広げられる、サスペンスとラブストーリー。小野小町の父・小野篁と母・めずらごの都と陸奥小野郷との遠い想いを現代によみがえらす物語。福島市の劇団「牛乳2パック」と郡山市の劇団「乱DOM-Company」からのメンバーを迎えて上演。


平成9(1997)年11月12日、第5回公演 「いつか来た道 いつか行く道」

福島県商工会青年部・婦人部連合会30周年記念式典の特別公演

  • どこにでもありそうな、現代の家庭。そんな中で、おじいちゃんの立場は、いわばじゃまものあつかい。ところが、おじいちゃんがぼけてなければ、保険金がおりるということを聞いた家族は、おじいちゃんにあれやこれやのサービスを開始するが…。高齢化社会をおもしろおかしくつづりながら、するどく現代社会の問題点をつくホームドラマストーリー。初めての小野町以外での公演(郡山ホテルはまつ)で、みんな大張きり。初代座長・村上勝徳、初の脚本・演出の作品。ほのぼのとした中に、笑いとペーソスがつまっている。


平成9(1997)年12月、第6回公演 特別養護老人ホーム「こまち荘」クリスマス会での特別公演

  • 現在資料を探してます。しばらくお待ち下さい。

平成13年(2001)年2月25日、第7回公演 「町立白樺高校物語2」 (劇団こまち座21世紀公演)

「幻の町立高校、ぼくらはその第一期生だった」

  • 第2回公演、「町立白樺高校物語」の続編。町立白樺高校の第一期生のケイ子のもとに、ある日同級生で郵便局員となったマツがはがきを配達に来る。それは、町立白樺高校の卒業式が行われるはずだった年の年賀状だった。13年前に配達されるはずだった年賀状には、21世紀最初の卒業記念日に集まろうと書いてある。幻の卒業生たちは、町立高校跡地へとむかう。そこに見たものは…初の小ホール(194席)での公演と1日2回の公演を実施。また、こまち座のユースを募集し、県立小野高等学校の演劇部から3人が出演してくれた作品。

平成13年(2001)年7月13日、第8回公演 「町立白樺高校物語2」 (うつくしま未来博公演)

  • 日ごろのおこないがよっぽど悪いのか、公演の時間をねらったようにものすごい雷雨が… 小野町からわざわざやってきてくれたかたがたを含め、ほぼ埋まった客席は嬉しかったのですが、芝居小屋が1億円のビニールテントなもので、雨があたる音で台詞が聞こえない! そんな中役者のみなんなは奮闘してくれました。はじめて通して観る青年部員も「涙うるうると4回きました」と話すなど、みんなの心意気がつたわってきました。町長さんをはじめ客席で温かい拍手をおくってくれた劇団こまち座のサポーターのみなさん、ありがとうございました。そして役者・スタッフのみなさん、本当におつかれさまでした。


平成14年(2001)年1月26日、第9回公演 「大きな桜の木の下で」