21世紀


平成13年(2001年)1月1日 年賀状

二瓶 晃一 (執筆当時38歳)

子供の頃、「未来」の象徴だった二十一世紀がやってきた。そういえば、今年、福島県ではジャパンエキスポ・「未来博」が、7月7日から9月いっぱいまで開催される。「未来」という言葉は、なにか漠然とした夢の様に聞こえるが、考えてみれば、未来は一足飛びにはこない。様々な歴史をかさねて、「未来」はやってくる。未来は、先人たちからの贈り物なのだ。 小町温泉 瀇太屋は、大正時代の創業で私で四代目だ。創業者の曾爺さんは、「彦太」という名前で、「廣瀬」という村(現在の滝根町の大字)出身なので、廣太屋という屋号をつけたそうだ。明治生れの彦太は、終戦の年、昭和二十年に他界した。無愛想で、がんこ者で…「お前が一番似ている」と昔から言われていた。そして、運命のいたずらか、一番サービス業にむかない私が、今ここにいる。 過ぎ去った二十世紀はどんな世紀でしたか?と聞かれたら、私は、顔も知らぬ曽祖父に想いをはせながらこう答えたい。「二十世紀は、小町温泉 瀇太屋が創業した世紀でした。曾爺さん、ありがとう。」と…